2010年07月25日

フルディア

フルディア
Hurdia victoria
体長:30〜40センチ
hurdia_2010_03.jpg
比較的最近記載された、アノマロカリス類。
コウイカを思わせる「盾」のようなものが頭にくっついています。アノマロカリスは体の両側にヒレを持っていますが、本種にはなく、体が輪っかをつなげたような不思議な形をしています。
どんな生活をしたのかは不明で、盾の役割も「餌を追い込むため」などの説があるようですが、はっきりわかってはいません。
想像するに、この盾、海底を掘りそうですね。これで海底を掘り起こして中に潜む蠕虫類を探して食べていたのか...?
体の作りからして、あまり泳ぎは得意そうではありません。海中をさっそうと泳ぎ回るというより、底のほうでモゾモゾしていたり、中層にゆったり浮かんでいた、という感じがします。


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2010年07月18日

アンプレクトベルア

アンプレクトベルア
Amplectobelua symbrachiata
体長:数センチ
amplectobelua_2010_04.jpg
手のひらサイズの可愛らしいアノマロカリス。
中国のチェンジャン地方で発見されました。
アノマロカリスというと「最大2メートルにもなるカンブリア紀最大最強生物」という印象が強烈ですが、本種は、たった数センチ、金魚ほどのサイズ。
幅広の体型と、尻尾から伸びた二本のアンテナが特徴です。

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2010年07月11日

バージェスモンスター大集合(その2)

burgess_02.jpg
前回に引き続き、バージェスモンスターを大集合させました。今回は肢が沢山ある仲間たち、節足動物です。海底が寂しいので、海底に固着して生活するカンセロリアに客演をお願いしました。
登場動物は下記です。

レアンコイリアオレノイデスナラオイアマーレラオダライアチュゾイアイソクシスヨホイアカンセロリア

あと大集合させたいのは、アノマロカリス属とオパビニアですが、まだキャストが足りないので、少し時間がかかりそうです。
posted by センザキタツヤ at 12:46| Comment(0) | TrackBack(0) | カンブリアンモンスター大集合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月06日

バージェスモンスター大集合(その1)

burgess_01.jpg

バージェス頁岩動物群から、うねうね、もぞもぞ、くねくね系の動物と、海底に固着する動物を大集合させました。
登場動物は下記です。

歩く動物>ハルキゲニアアイシュアイア
這う動物>ハプロフェレンティスウィアクシアオルスロザンクラス
漂う泳ぐ動物>エルドニアネクトカリスアミスクウィアピカイア
固着する動物>エクマトクリヌスメタルデテスディノミスクス

次回は節足動物大集合など企画中です。
posted by センザキタツヤ at 19:18| Comment(2) | TrackBack(0) | カンブリアンモンスター大集合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月30日

ナラオイア

ナラオイア
Naraoia compacta
体長:数センチ
naraoia compacta_02.jpg
つるん、とした三葉虫の仲間。
以前から、はやく作らねば、と思っていた生き物です。
一応、三葉虫の仲間に分類されていますが、その体はかなりイレギュラーです。まず、外骨格が固くない。三葉虫はいわゆる「鉱物化」した外骨格を持っていて丈夫なんですが、ナラオイアの場合、タンパク質で出来ていて、比較的やらかいものだったらしい。
三葉虫の最大の特徴は、体が縦に3つに分かれている事、つまり、真ん中と左右とに分かれているんですが、ナラオイアは、その区別もどうもあいまいです。さらに普通の三葉虫は、腹、胸、頭、と3つのパーツで出来ているのに、ナラオイアはそれも2分割で済ませています。
触覚の付近に眼のような構造がある、という事ですが、色々情報を検索すると「眼はなし」とする記述が多いようです。
posted by センザキタツヤ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月20日

ケリグマケラ

ケリグマケラ
Kerygmachela
体長:8センチ程
Kerygmachela_02.jpg
グリーンランドのシリウスパセットで発見された動物。
あっ、アノマロカリスだ!と思ってよく見ると、眼はないし、尻尾は二本だけだし、なんだこれ?という...。じっと見ているとムカデのようにも、フナムシのようにも見えてくる、実にカンブリアっぽい生き物です。
体の左右に11対の鰭と体の下にも同じく11対の歩脚がついています。海底を這ったり、泳いだりして生活していたのでしょう。
口は小さいし、体前方に伸びているのは捕食用の器官というよりも、触覚のように見えます。海底の動物の死体などをあさっていたんでしょうか。
posted by センザキタツヤ at 12:11| Comment(0) | TrackBack(0) | シリウスパセット動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月15日

カンブロパキコーペ

カンブロパキコーペ
Cambropachycope clarksoni
体長:1.5〜数ミリ
cambropachycope_07.jpg
一つ眼の節足動物。
スウェーデンのカンブリア紀地層から発見された奇妙な動物です。アリかハチのような体の前方から大きな突起が飛び出し、その先端には大きな複眼がたった一つついています。この図では見えませんが、一番前の一対の肢の間に小さな口がついています。また、大きな鰭のような肢が左右に広がっていて、泳ぎは得意だったようです。
なんといっても印象的なのは巨大な一つ目です。現生の動物でもミジンコなどは一つ目で、もともと左右一対の眼が合体してひとつになったと言われています。このカンブロパキコーペも、もともとは柄についた一対の眼だったのかもしれません。
しかしこの名前、発音しにくいですね、特に「バキコーペ」が...。
posted by センザキタツヤ at 17:51| Comment(2) | TrackBack(0) | その他の地域の動物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月06日

ネクトカリス(2010 新復元)

ネクトカリス
Nectocaris pteryx
体長:2センチほど
nect_new_2010_04.jpg
以前にも掲載したネクトカリス。(→旧復元図)
以前は「甲殻類の頭部に軟体動物の胴体が合体した摩訶不思議生物」とされていましたが、つい最近、大量の化石を調べた研究結果から、実は頭足類、つまりイカやタコ、オウムガイのような動物の原始的な姿であることがわかったそうです。
以前の復元図とはまた、ずいぶん違った姿になってしまいました。
サンプルが多くなり、研究が進むと意外に「まっとう」な姿になるんですね、少し夢がしぼみます。
眼の下から飛び出したロート状のものは、イカやタコにもある、水を吐き出してジェット推進するための器官だそうです。

ついでに新旧の復元を並べておきます。
旧復元図の最大の特徴であった「頭部の甲殻類様の殻」はどこ行ったんだ?という...。
nect_-old-new_2010.jpg
posted by センザキタツヤ at 10:58| Comment(4) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月01日

チュゾイア

チュゾイア
Tuzoia
体長:2センチ弱
tuzoia_05.jpg
前回のイソクシスに近い動物。
殻をトゲトゲで武装しています。
突き出した眼や触覚もイソクシス同様だと思われますが、殻の化石しか見つかっていないため、実際に眼や触覚、肢がどんな風だったかは分かりません。

posted by センザキタツヤ at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月23日

イソクシス

イソクシス
isoxys
1〜3センチ
isoxys_2010_04.jpg
餃子のような形の殻に包まれた節足動物です。
ヤドカリのような眼が二つ突き出していて可愛らしい姿をしています。
やや短めの脚と毛の生えたオールのような脚が十数対生えていて、これを使って水中を泳いでいたようです。
バージェスからも発見されていますが、チェンジャンなど他の地域からも化石が見つかっています。

posted by センザキタツヤ at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月18日

メタルデテス

メタルデテス
Metaldetes
体長:数センチ
metaldetes_2010_03.jpg
コップのような形をした生物。古杯類と呼ばれています。
三葉虫や、腕足類とともに、数の上ではカンブリア紀の代表的な生物です。
現生の動物ではカイメンに近く、岩などに脚部を固定して生活していました。
コップの表面には、たくさんの穴があいています。そこから微生物などを含んだ海水を出し入れてして濾しとって食べていたそうです。
カイメンに近い、ということは、前回アップしたアイシュアイアの餌になっていたのかもしれません。

posted by センザキタツヤ at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

ミロクンミンギア

ミロクンミンギア
Myllokunmingia fengjiaoa
体長:3センチ
mylokunmingia_2010_07.jpg
シラスウナギ風の動物。
現在知られている限り、最古の「魚類」とされています。
魚類とはいえ、メダカやカツオのような普通の魚ではなく、無顎類という原始的な魚。その名の通り、顎がありません。
現生動物では、蒲焼が有名なヤツメウナギ類がその仲間です。
この生物が発見される前までは、カンブリア紀の次の時代であるオルドビス紀で始めて魚類が登場したとされていました。

化石は1体しか見つかっていないそうで、詳しい体の作りなどは不明です。
posted by センザキタツヤ at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | チェンジャン動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月05日

バンフィア

バンフィア
Banffia constricta
体長:数センチ
banffia_2010.jpg
チェンジャン動物群に属する、魚のような、そうでもないような微妙な形の動物です。
シダズーンや、ベッツリコーラとともに「ベッツリコーリア門」に分類される謎の多い動物です。
尻尾に見える部分の先っぽに肛門が開いていて、つまりこれは、尻尾ではなく「胴」なんですね。この胴を振ってオタマジャクシのように泳いでいたようです。
バンフィアは、バージェスからも見つかっているそうですが、バージェス産、チェンジャン産とも良好な化石が無く、細かい体の構造はいまだ謎です。

CGもう一枚。ベッツリコーリア三兄弟を並べて、なんだか楽しそうにさせてみました。
これはフィギアで欲しいセットですね(笑)。
Vetulli_3_2010_2.jpg

posted by センザキタツヤ at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | チェンジャン動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月02日

オルスロザンクラス

オルスロザンクラス
Orthrozanclus reburrus
体長:数ミリ〜1センチ
Orthrozanclus_2010_6.jpg
四方八方に長い棘をめぐらした動物。
アップで見るとなかなかイカした怪獣ですが、実際には1センチ程度の小粒な動物です。
以前に掲載したウィアクシアとは、比較的近い関係にあり、オルスロザンクラスからウィアクシアが進化したか、同じ祖先から両者が進化した可能性があるそうです。
海底を這いながら有機物を食べていたそうです。
posted by センザキタツヤ at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月01日

カンセロリア

カンセロリア
Chancelloria eros
体長:数センチ〜最大10センチ
chancelloria_2010.jpg
細長いさつまいものような形の動物。
体の表面はウロコのような、たくさんの硬皮でおおわれて、それぞれの硬皮からは小さなトゲが生えています。
海底面で固着生活を送りながら、水中に漂う有機物を濾しとって栄養にしていたのではないかと言われています。
形や生活はカイメンと似ていますが、骨格の由来が異なることなどから別の動物とされているようです。
学名の表記は「チャンセロリア」の場合もあります。
posted by センザキタツヤ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月18日

ハプロフレンティス

ハプロフレンティス
Haplophrentis carinatus
体長:数ミリ〜3センチ

haplophrentis_2010_02.jpg
巻貝のような殻と、やはり巻貝ちっくな「蓋」を備えた動物。海底で暮らしていたようです。この姿から、どうしても「巻貝?」と見えてしまいますが、実は軟体動物ですらないかもしれない、所属不明の動物です。
殻から飛び出した一対の細長いものは、触覚ではなく、体の移動や支持に使われる附属肢だそう。
オットイアのような肉食の蠕虫の格好の餌となっていたそうです。
posted by センザキタツヤ at 11:39| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月20日

エルドニア

エルドニア
Eldonia ludwigi
体長(直径):最大20センチ程
Eldonia_03.jpg
一見してクラゲのような動物。
実際には、遊泳性のナマコに近い仲間だという説が有力です。
現生の動物にも、外套のようなヒレを使って海中を泳ぐユメナマコという深海棲のナマコがいますが、それらともまた体の体制が違っているようで、謎の深い生き物です。
また、泳ぐ、もしくは浮遊していたのではなく、海底で半分砂に埋まったような状態で暮らしていたのではないかという説もあります。
バージェス頁岩動物群の一員ですが、中国のチェンジャンにも生息していました。
多くは化石が複数集まって産するようで、夏の終りのミズクラゲのように群れて生活していたのかもしれません。
posted by センザキタツヤ at 13:19| Comment(1) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

アイシュアイア

アイシュアイア
Aysheaia pedunculata
体長:数センチ
Ayseala_2010_15.jpg
アユシュアイアとも表記されます。
見た目は、足の長いイモムシですね。数センチというサイズもアゲハチョウとかスズメガの幼虫を連想させる大きさです。
胴体も足も輪っかが繋がったような環状構造があります。足の先には、それぞれ二本の小さい爪。口の周りには触覚のような突起が突き出しています。
カイメンの仲間と一緒に化石化している事が多いので、カイメンを食べていたのではないか、という言われています。現生のカギムシと近いとされていて、分類的にも同じ仲間、有爪類に分類されています。
現生のカギムシは、口の両側にある突起からネバネバのゾル状のモノを吐き出し、獲物を絡め狩るという壮絶な「虫」です。一度現物をみてみたいと思っているのですが。
カギムシ画像が豊富なページ→口から粘液を飛ばし獲物を捕えるカギムシの動画
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2010年02月21日

ラガニア

ラガニア
Laggania cambria
体長:60センチ
LAGGANIA_2010_12.jpg
とぼけた姿のアノマロカリスの一種です。
ラッガニア、ラグガニアとも表記されるようです。
アノマロカリスの他の種では眼が体の左右に飛び出しているのに対して、本種では眼が体の上に乗っています。そのため、海中を泳ぎ回るというより海の底で生活を送っていたのではないか、とも言われているようです。
アノマロカリスの他の種には、尻尾として三対のヒレがついていますが、本種にはそれがなく、キャップ状で終わっています。
吻が突き出し、口もだいぶ前の方についるので、海底すれすれに泳ぎながら吻を砂の中につっこみ、中にいる獲物を掘り返して食べていたのかもしれませんね。
posted by センザキタツヤ at 21:18| Comment(4) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月12日

オドントグリフス(旧復元)

オドントグリフス
Odontogriphus omalus
体長:数センチ
(これは、2006年以前の古い解釈の復元図です。新復元図はコチラで

0dontogriphus_2010_02.jpg
鼻緒のとれた草履のような生物。
化石はたった一つしか見つかっていないそうです。
扁平な体の下面前方にハート型の口があり、ひげが取り囲んでいます。
このひげを支える歯のような構造も見つかっていて、学名の由来は「歯の生えた謎」だそうです。なかなか詩的です。
体は節構造になっていて、上下にくねくねさせながら海中を泳いでいたと言われています。
posted by センザキタツヤ at 23:48| Comment(2) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする