Odontogriphus omalus
体長:数センチ〜12センチ

鼻緒のとれた草履のような生物。以前に掲載した復元図は古い解釈のもので、コメントで指摘してくださった方もいたのに、ぐずぐずと改訂を怠っておりました。
以前は化石一個しかみつかっていない状態で、節構造らしきものもあったかもしれない、水中をうねうね泳ぐ動物とされていました。
しかし、2006年に大量の化石をもとに分析した結果、軟体動物の一種であることが分かったという事です。決め手は、口のまわりに生えた触手(?)を支える骨とされていた構造が、軟体動物に特有の「歯舌(しぜつ)」であることが判明した事です。これ、カタツムリなどの口にもありますね。岩の上などを這い回り、歯舌を使ってへばりついている藍藻類などをこそげ取って食べていたのではないかと言われています。
カタツムリにキャベツなどを与えると、意外なほど素早く大量に食べてしまいますが、この歯舌、「食べる器官」としてはなかりの優れものなのではないでしょうか。