2015年01月02日

シファッソークタム

シファッソークタム
Siphusauctum
体長:20センチ

siphusauctum_03.png

シファッソークタムは、「チューリップ・クリーチャー」の異名を持つ、バージェスの正体不明動物です。
その異名が示すように、一本の茎のような構造の上に、六角形の紙風船のようなものが乗っかっていて、チューリップの花のようです。

この「花」の部分は皮を剥いたミカンの実のような構造になっていて、ミカンの実の房一つ一つの下部には穴があいています。この穴が実は「口」なのだそうです。この口から海水を吸い込んで体の中で濾過し、有機物をこして栄養にしていたようです。
では肛門は?というと、チューリップの花のてっぺんに開いた一つの穴…6個の口から食べて、一個の肛門から出す、という驚異のシステムです。

未だに近縁の動物が見つかっておらず、現存するどの分類群にも収納不能、というまさに、カンブリアンな動物です。

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2015年01月01日

ネレオカリス

ネレオカリス
Nereocaris
体長:1センチ

nereacaris_2.png
ネレオカリスは、バージェスで発見された1センチほどの動物です。
体の前部外側を覆う固い殻、そして、たくさんある脚には20以上もの節構造が見られるということで、「殻」と「脚の節構造」とくれば、これは甲殻類の特徴だ、というわけで、もっとも初期の甲殻類とされています。

脚、といっても殻のなかにすっかり収まっているのでこれを使って歩くのはムリでしょう。もっぱらシャカシャカ動かして遊泳していたようです。
頭部からは、柄のようなものについて飛び出した目と、不思議な一本だけの触覚のようなものがあります。真ん中から飛び出した1本の触覚…左右対称に慣れたニンゲンにとっては、なんか、ちょっと、ポカンとした気持ちになります。

ネレオカリスの長いしっぽを短くして甲殻に収納すると、あの動物に似ています。やはり原始的な甲殻類、チュゾイアです。これも歩くのはムリな体型。甲殻類の初期はもっぱら泳ぐ生き物だったようです。

posted by センザキタツヤ at 19:27| Comment(1) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする