2011年01月31日

オドントグリフス(2006年新復元)

オドントグリフス(2006年新復元)
Odontogriphus omalus
体長:数センチ〜12センチ
odont_03.jpg
鼻緒のとれた草履のような生物。以前に掲載した復元図は古い解釈のもので、コメントで指摘してくださった方もいたのに、ぐずぐずと改訂を怠っておりました。
以前は化石一個しかみつかっていない状態で、節構造らしきものもあったかもしれない、水中をうねうね泳ぐ動物とされていました。
しかし、2006年に大量の化石をもとに分析した結果、軟体動物の一種であることが分かったという事です。決め手は、口のまわりに生えた触手(?)を支える骨とされていた構造が、軟体動物に特有の「歯舌(しぜつ)」であることが判明した事です。これ、カタツムリなどの口にもありますね。岩の上などを這い回り、歯舌を使ってへばりついている藍藻類などをこそげ取って食べていたのではないかと言われています。
カタツムリにキャベツなどを与えると、意外なほど素早く大量に食べてしまいますが、この歯舌、「食べる器官」としてはなかりの優れものなのではないでしょうか。
posted by センザキタツヤ at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月22日

ミクロミトラ

ミクロミトラ
Micromitra Burgess
体長:数ミリ

micromitra_03.jpg

一見、これ、赤貝?という形ですが、貝とは関係のない腕足類という動物です。
現生ではシャミセンガイという干潟などに住む仲間などがいます。現生種では、殻の蝶番のところから肉茎と呼ばれる尻尾のようなものが出ていて、それを使って地面に潜ったり、岩などに固着したりしています。
ミクロミトラも、カイメン動物などに固着し、長い触手を伸ばして海中に漂う有機物の粒子を捕まえて食べていたようです。
腕足類は、今ではかなり地味な種族ですが、古生代に登場してかなり繁栄し、カンブリア紀にも沢山の化石が残されています。
posted by センザキタツヤ at 19:55| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月10日

バージェシア

バージェシア
Burgessia bella
体長:1センチ〜2センチ(殻の直径)
burgessia_11.jpg
平たいボタンのような動物。節足動物であることは間違いないものの、いまひとつ正体不明です。
体は、平たい円形、もしくは、パックマン的形状の殻で覆われていて、体の中には、左右に扇状広がって枝分かれした不思議な形の謎の器官が収まっています。この器官は、なんらかの消化器官ではないかと言われているようです。
この図の肢の形状とか数は、資料が少なく、かなりいい加減です。肢はいずれも二肢性で、歩行用の肢の他、体前半には細いムチ状の肢、後半ではフラップ状のエラ機能を持った肢が歩行用の肢とセットで生えています。
これらの肢で動き回って、海底の有機物などを食べていたという事なんですが、しかし、こんな特殊な形の消化器が必要な食べ物ってなんだったんでしょうか。
posted by センザキタツヤ at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月03日

カナディア

カナディア
Canadia spinosa
体長:2〜数センチ
canadia07.jpg
バージェス動物界の貴婦人登場!
ゴージャスな毛がふさふさの、これも多毛類です。背中側に鳥の羽のような扁平な剛毛で覆われ、おなか側の疣足からも細い毛の束が生えています。
これらの毛を使って海底を歩いたり、海底近くを浮遊するように泳いだりしたようです。
背中側の剛毛は、目眩ましや防御用の機能もあったのかもしれませんね。
実際に、こんな動物が目の前で動いていたら、うっとり見惚れてしまうに違いありません。

Twitter経由で、古生物を研究されている方から、スクイッドワームという、ゴカイの仲間の新種を教えていただきました。おそらく、まさしく、カナディアや、バージェスキータもこういう風に動いていたに違いありません。美しい生き物です。
ナショナルジオグラフィック→スクイッドワーム
動画!→泳ぐスクイッドワーム
posted by センザキタツヤ at 13:21| Comment(1) | TrackBack(0) | バージェス頁岩動物群 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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